(実施例5)本社研究所の技術シーズの事業化(化学大手 本社研究所)
① 狙い
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市場仮説と検証プロセスの接続:研究所起点の技術シーズを、事業の市場仮説と検証に接続し、事業化確度の高いテーマ創出と推進の型を作る。
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大方針の実行:技術開発、商品開発、事業開発を一体化し、マーケットに実感のある価値を届ける。
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競争力の両輪:差別化された技術、商品、ビジネスモデルの構築と、主要顧客との密接な関係構築を同時に進める。
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仕組みの継続:研究所の技術戦略を実行プランへ落とし込み、中長期でマーケット検証を実施し続ける。
② 課題
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テーマ小粒化:市場規模が小さいテーマに偏り、中長期の柱になる技術基盤テーマが育ちにくい。
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引き継ぎできない:中央研究所のテーマが事業部に受け入れられず、出口戦略が曖昧になりやすい。
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マーケティング機能不足:技術者が市場分析まで兼務し、客観的な事業性評価が薄くなりやすい。
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アーリーステージの停滞:Stage2付近で滞留が長く、取捨選択と絞り込みが遅れる。
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顧客接点の問題:意思決定者に到達しにくく、サンプル持ち込み条件も厳格化している。
③ 実施内容
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推進体制:本社企画部門、事業開発部門が連携し、戦略検討、技術検討、事業検討の3チームで運営。
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探索の進め方:将来の社会像とトレンドから潜在ニーズを議論し、複数事業領域の新規テーマを具体化。
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プロセス再設計:現行の技術開発プロセスを見直し、技術開発と製品開発を分けて、評価基準と予算配分を切り分け。
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仮説検証の標準化:市場規模、バリューチェーン、競争構造、成功要因を整理し、顧客仮説と検証計画の型を整備。
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外部活用:開発側から外部技術導入の探索要求を出し、オープンイノベーションで開発期間短縮を狙う。
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関与の前倒し:初期段階からマーケティング、財務、生産等の専門家をアサインし、ゲート資料の精度を上げる。
④ 効果
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市場性の作り込み:市場起点の仮説立案と検証の手順が揃い、研究テーマの市場性が会議体で精査できた。
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接続の改善:研究テーマが事業側へ展開されやすくなり、責任分担と次アクションが明確になった。
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滞留の短縮:Stage2付近の論点を、仕組みとして扱えるようになり、取捨選択と絞り込みが速くなった。
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投資判断の妥当性:技術開発と製品開発を分けたゲート評価とポートフォリオ管理で、判断の納得度が上がった。
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全社支援の明確化:長期で難易度が高いテーマに対し、本社側のマーケティング支援責任が明確になった。
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テーマ創出の継続:技術者はコア技術ニーズ、マーケッターは製品開発ニーズを担い、有望テーマが継続的に創出する体制に近づいた。
