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第3世代イノベーションマネジメントにおけるプラットフォームビジネスの動向
― 製造業におけるプラットフォームのタイプと展開方法―
IDX研究所 Working Paper Vol.3 2025 江口隆夫
要約
本稿は、近年の価値創造の単位が企業内部から企業外部の境界を越えたエコシステムへと拡張する中で、製造業における第3世代イノベーションマネジメントのビジネス構造を整理するものである。従来の第2世代イノベーションマネジメントが、社内プロジェクトを前提とした資源配分やプロセス標準化に基づいていたのに対し、第3世代では、自社をコア企業としつつ外部主体を含むエコシステム全体が、設計・運営の対象へと転換する点に本質的な違いがある。
本稿では、製造業におけるプラットフォームを、事業特性や展開形態の違いに着目して複数のタイプに類型化し、それぞれについて、コアとなる構成要素と設計上の着眼点を整理する。分析を通じて、製造業のプラットフォームは単一のIT基盤としてではなく、意思決定・評価基盤、インフォマティクス基盤、モデル基盤、データ基盤、接続・協調基盤といった複数の要素が相互に結合した全体構造として設計される必要があることを示した。特に、評価指標が自社業績中心の考え方から、エコシステム全体の価値創造を考慮する形へと拡張されるか否かが、プラットフォーム運営の成功に大きく関係することを示した。さらに、第2世代から第3世代への移行において、社内テクノロジープラットフォームの整備による基盤形成を起点とし、段階的に外部連携へと展開していくアプローチが重要な論点となることを整理した。以上の分析を通じて、本稿は、製造業における第3世代イノベーションマネジメントを、価値創造単位および管理対象の質的転換として位置づけ、その構造的理解を提示した。
キーワード:第3世代イノベーションマネジメント、製造業プラットフォーム、エコシステム、価値創造単位、意思決定・評価基盤、組織構造
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