(実施例4)本社研究所の技術シーズの事業化(化学大手 本社研究所)
① 狙い(目的)
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本社研究所の技術シーズを事業化するため、事業部門と連携した標準プロセスの詳細設計とゲート基準を策定し、機会発見から顧客評価のフィードバックまでを制度化すること
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経営への貢献: 「経営にインパクトを与える研究開発の遂行」を実現すること 。
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市場開発の仕組み化: 開発済み技術シーズを、組織横断体制で市場開発するための仕組みを策定すること 。
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成功パターンの確立: スペシャリティ事業開発において、高い技術力を高付加価値ビジネスにつなげるための「成功パターン」を作ること 。
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競争力の強化: 市場競争力のある課題設定、研究開発のスピードアップ、および事業化プロセスの確立を図ること
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② 課題
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個人依存のプロセス: 市場開発が組織的な取り組みではなく、個々人の力量に委ねられていた 。
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戦略とマーケティングの不足: 市場のフォーカシングができておらず、戦略がないため個々人がバラバラに動いていた 。
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顧客ニーズの把握不足: 顧客の生の情報や真のニーズを捉えた提案ができていなかった 。
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組織間の連携不全: 市場開発における事業部との役割分担や協業体制が不明確であった 。
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意思決定の遅れ: 市場開発における意思決定のスピードが遅いという課題があった 。
③ 実施内容
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現状プロセスの可視化と課題抽出(インタビュー、セッション、業務分析)
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本社研究所と事業部門が連携した新市場開発プロセスの設計(市場セグメント選定、仮説構築、顧客訪問、提案、仮説修正)
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イノベーションプロセス各工程の定義、担当組織・役割の設定、リソースアサインの意思決定のためのゲート・基準設定
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プロセス運用に必要なマニュアル、テンプレ、台帳を整備し、パイロットでPDCA管理
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事業性評価シート、試作優先順位決定シート、運用要領を整備し、ゲート会議で判断できる仕組み
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技術と市場の連携チームを編成し、顧客提案とニーズ確認を実行し、成果をレビューして改善点を反映
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④ 効果
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標準化と再現性の確立:市場開発に必要なプロセス・情報・フォーマットを定義してマニュアル化し、個人芸ではなく組織運用で回せる状態に近づいた。
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評価と意思決定の高速化:評価基準とゲート(事業性評価、試作可否判断)を整備し、案件の絞り込みと試作の優先順位付け、事業部との協業判断が速くなった。
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事業化推進の土台整備と横展開:事業化に向けた体制・役割・会議体を明確化し、パイロットで課題と改善点を潰しながら、他の重点テーマにも展開できる基盤になった。
