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イノベーションマネジメントの進化と世代

― イノベーションプロセス進化を超えたマネジメント世代論の提案 ―

IDX研究所 Working Paper Vol.1 202  江口隆夫

要旨
本稿は、1990年代以降に進展してきたイノベーションに関する理論・手法・プロセスの変化を整理し、それらを個別手法の発展としてではなく、イノベーションマネジメントの仕組みと、それを運用する組織能力が段階的に高度化していく「世代的進化」として再定義することを目的とする。多くの企業では、ステージゲート、オープンイノベーション、アジャイルなどの先進的手法を導入しても十分な成果を得られていない。その背景には、導入された手法が前提とする管理対象の広がりや、仕組みを安定的に運用するための組織能力の成熟度が考慮されていないという構造的な問題がある。
本稿では、先行研究におけるイノベーションプロセスの世代論やステージゲートの進化を整理し、それらが主としてプロセスの高度化を中心に議論されてきたこと、また近年になるほど世代定義が困難になっている理由が、管理対象の多層化・分散化にあることを示す。その上で、プロセスを包含する上位概念としてイノベーションマネジメントを位置づけ、第1世代から第4世代までの4つの世代に整理する。各世代について、環境条件、管理対象、必要とされる仕組み、ならびにそれを引き受ける組織能力の要件を明確化し、統合的な枠組みとして提示する。
本研究の貢献は、既存の理論や手法を否定するのではなく、それらをどの世代の仕組みと組織能力を前提として機能するのかという進化の文脈の中に再配置した点にある。これにより、企業が自社の現在地を診断し、無理のない形で段階的に次世代のイノベーションマネジメントへ移行するための理論的基盤を提供する。

キーワード:イノベーションマネジメント、イノベーションマネジメントの進化、イノベーションマネジメント世代論、イノベーションプロセス、ステージゲート、オープンイノベーション、DX、プラットフォーム、イノベーションエコシステム、組織能力

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